2006年 10月 29日
気分を変えて |
mixi画面に翻弄された2日間だった。日記に書くつもりでいたことも、隅に追いやられた。
日ハム優勝のことも、公立高校の単位不足のことも、遊歩道にイヌの落とし物が増えたことも、安倍さんになってから、確実に変化を感じていることも、書こうと思っていた。しかし、時期を逃したというより、書く気がなくなっていた。
mixiのことも考えてみれば、たいしたことではない。使えなくなったわけでも、読めなくなったわけでもない。いずれ、何とかなるだろう。
その代わりというのも変だが、昨夜から今日午前中にかけて、1冊の本を読み上げた。このところ、本を読む速度は遅い。パソコンその他の雑用が入りすぎる。気分を変えて、読書に専念した。
本の題名は 「麻衣」あさごろも 中川希恵著 文芸社
笠原さんから、長岡出身の私の友人,Tさんにとお貸し頂いた本である。Tさんは読む本に追われ、長引いているので私が先にお借りした。
小説の背景は雪深い越後の寒村。時代は明治の小学校が義務教育になろうという頃。コンは父親に連れられて入学式に行く。胸は期待にふくらむが、トトは教科書を買わなかったので、諦めなければならないと自分に言い聞かせる。それというのも、何とか食べていける農家だったが、長男が博打に手を出し、大きな借金を抱え姿を消す。土地をカタに取られるが、そのまま耕作しながら借金と利息を返していくという温情ある計らいで、路頭に迷わなくてもよくなった。とれたお米の大半を納め、少しでも早く借金を返そうと、養蚕で繭を売り、糸繰り、縮布(ちぢみ)を織っての耐えに耐えた生活。村一番の「いっちびっぽ」貧乏人である。コンはしっかり者で働き者だった。2才下のアイは、小学校へ行かせてもらえた。両親ともコンに済まない気持があるが、コンはアイから字を習うといって、仮名だけは覚えた。何となく「おしん」を思わせる。コンには愛し合った人が出来るが、身分違いとある出来事で、実を結ばなかった。このあたりは哀れである。運命は悲しいが最後まで、コンらしく生きた姿に感動する。
終盤に近いところで、村に来た瞽女からうわさ話を聞くところがある。終生忘れ得ない人の、病の末期に近いことを知り、別れに訪れる場面もある。
瞽女が「地震口説」を語ったというくだりがある。
この本は、新潟出身で「古文書を読む会」所属の著者が、高校先輩の笠原さんに贈呈した本である。その前に、笠原さんが書かれた古文書解説「瞽女口説地震の身の上」を送っていられたことに対する返礼かもしれない。どっちか先かはわからないが。
「笠原家所蔵古文書」(瞽女口説地震の身の上)のことは私も、8月13日ブログに書いている。
日ハム優勝のことも、公立高校の単位不足のことも、遊歩道にイヌの落とし物が増えたことも、安倍さんになってから、確実に変化を感じていることも、書こうと思っていた。しかし、時期を逃したというより、書く気がなくなっていた。
mixiのことも考えてみれば、たいしたことではない。使えなくなったわけでも、読めなくなったわけでもない。いずれ、何とかなるだろう。
その代わりというのも変だが、昨夜から今日午前中にかけて、1冊の本を読み上げた。このところ、本を読む速度は遅い。パソコンその他の雑用が入りすぎる。気分を変えて、読書に専念した。
本の題名は 「麻衣」あさごろも 中川希恵著 文芸社
笠原さんから、長岡出身の私の友人,Tさんにとお貸し頂いた本である。Tさんは読む本に追われ、長引いているので私が先にお借りした。
小説の背景は雪深い越後の寒村。時代は明治の小学校が義務教育になろうという頃。コンは父親に連れられて入学式に行く。胸は期待にふくらむが、トトは教科書を買わなかったので、諦めなければならないと自分に言い聞かせる。それというのも、何とか食べていける農家だったが、長男が博打に手を出し、大きな借金を抱え姿を消す。土地をカタに取られるが、そのまま耕作しながら借金と利息を返していくという温情ある計らいで、路頭に迷わなくてもよくなった。とれたお米の大半を納め、少しでも早く借金を返そうと、養蚕で繭を売り、糸繰り、縮布(ちぢみ)を織っての耐えに耐えた生活。村一番の「いっちびっぽ」貧乏人である。コンはしっかり者で働き者だった。2才下のアイは、小学校へ行かせてもらえた。両親ともコンに済まない気持があるが、コンはアイから字を習うといって、仮名だけは覚えた。何となく「おしん」を思わせる。コンには愛し合った人が出来るが、身分違いとある出来事で、実を結ばなかった。このあたりは哀れである。運命は悲しいが最後まで、コンらしく生きた姿に感動する。
終盤に近いところで、村に来た瞽女からうわさ話を聞くところがある。終生忘れ得ない人の、病の末期に近いことを知り、別れに訪れる場面もある。
瞽女が「地震口説」を語ったというくだりがある。
この本は、新潟出身で「古文書を読む会」所属の著者が、高校先輩の笠原さんに贈呈した本である。その前に、笠原さんが書かれた古文書解説「瞽女口説地震の身の上」を送っていられたことに対する返礼かもしれない。どっちか先かはわからないが。
「笠原家所蔵古文書」(瞽女口説地震の身の上)のことは私も、8月13日ブログに書いている。
by ttfuji
| 2006-10-29 15:52
| 読書