2009年 07月 16日
読書録 ② 市塵 |
市塵 上・下 藤沢周平
太極拳で一緒のKさんからお借りする.Yさんのあとに回ってきたが、今読む本で囲まれている。あとでお借りする、と言ったが、ゆっくりでいいからといわれ借りてしまった。
Yさんは、読みにくい本だったといわれたが、ちょっと読み始めてみると、ほかのものを後回しにして読んでしまった。
新井白石のことを書いた、伝記的歴史小説である。5代将軍徳川綱吉のあとを継いだのは、新井白石が仕えていた、甲府藩主・綱豊であった。6代将軍家宣と名を改めた。甲府藩の家老・閒部詮房(マナベアキフサ)から政治顧問として家宣を助けるよう頼まれていた。白石は、甲府時代から、藩主に学問の進講をしていた。白石の博識は家宣政権にとって必要不可欠と判断したのである。家宣が六代将軍になると、閒部詮房と新井白石は改革に乗り出した。まずは、綱吉政権下での生類憐令の撤廃である。朝鮮使節の歓迎式典の改革、綱吉政権下での乱脈を極めた貨幣政策の抜本的改革も是非やらなければならない。しかし、あまりに性急な改革は、将軍家宣の信任はあるとはいえ、閒部詮房以外の老中たちの抵抗が大きい。また、儒者仲間であるはずの林家や前貨幣政策の責任者、荻原重秀との対決も覚悟しなければならない。いつしか新井白石は政権の中枢で絶大な権力を発揮する事になる。しかし、この権力の裏付けになっていた、家宣が亡くなってしまうと、徐々にその権力の足許が揺らぎ始める。家宣の次の将軍は幼年で7代将軍になった家継である。しかし病弱で夭折。
8代を継いだのは、吉宗である。吉宗は前政権の体制を一掃した。すでに、隠居の身であったが、家も財産も取り上げられた。徳川将軍家二代にわたり政権の中枢にいた新井白石の最後の姿だった。
太極拳で一緒のKさんからお借りする.Yさんのあとに回ってきたが、今読む本で囲まれている。あとでお借りする、と言ったが、ゆっくりでいいからといわれ借りてしまった。
Yさんは、読みにくい本だったといわれたが、ちょっと読み始めてみると、ほかのものを後回しにして読んでしまった。
新井白石のことを書いた、伝記的歴史小説である。5代将軍徳川綱吉のあとを継いだのは、新井白石が仕えていた、甲府藩主・綱豊であった。6代将軍家宣と名を改めた。甲府藩の家老・閒部詮房(マナベアキフサ)から政治顧問として家宣を助けるよう頼まれていた。白石は、甲府時代から、藩主に学問の進講をしていた。白石の博識は家宣政権にとって必要不可欠と判断したのである。家宣が六代将軍になると、閒部詮房と新井白石は改革に乗り出した。まずは、綱吉政権下での生類憐令の撤廃である。朝鮮使節の歓迎式典の改革、綱吉政権下での乱脈を極めた貨幣政策の抜本的改革も是非やらなければならない。しかし、あまりに性急な改革は、将軍家宣の信任はあるとはいえ、閒部詮房以外の老中たちの抵抗が大きい。また、儒者仲間であるはずの林家や前貨幣政策の責任者、荻原重秀との対決も覚悟しなければならない。いつしか新井白石は政権の中枢で絶大な権力を発揮する事になる。しかし、この権力の裏付けになっていた、家宣が亡くなってしまうと、徐々にその権力の足許が揺らぎ始める。家宣の次の将軍は幼年で7代将軍になった家継である。しかし病弱で夭折。
8代を継いだのは、吉宗である。吉宗は前政権の体制を一掃した。すでに、隠居の身であったが、家も財産も取り上げられた。徳川将軍家二代にわたり政権の中枢にいた新井白石の最後の姿だった。
by ttfuji
| 2009-07-16 22:09
| 読書