2011年 01月 07日
図書館行きと12月の読書メモ |
昨日は今年初めての図書館行きの日。隔週木曜日に返却日が来るので、規則正しく通っている。数年前から私1人でなくTさんも一緒だから、2人ともサークルやお稽古ごと、通院などの予定が最も少ないのが木曜日の午前中となった。特別のことがない限り、このサイクルは変更しない。おかげで私1人で図書館へ通っていたときより、読書量は増えた気がする。
とは言うものの、最近は寄る年波に、読む速度は遅く、内容もすぐ忘れ、借りてきたとき記している題名や著者名を見ても、暫く考えないと思い出せないことが多い。だからこそ、簡単でも筋書きや感動など書きとめておかねばと思うが大抵の本は返却済みで手元になく、登場人物の名前さえ思い出せない。いつも言い訳ばかりしているので恥ずかしいが・・。
『いつか陽のあたる場所で』 乃南アサ 新潮社
この作家の本は、何冊か読んでいるが、もういいと思ったことはない。
29才芭子と41才の綾香、刑務所から出てきたばかりの二人は、過去を知られないように、びくびくしながらひっそり暮らす。芭子は亡くなった祖母の古い家を親から与えられ、実家からは絶縁される。近所には服役期間を留学していたことにしていた。経歴など詳しく問われないような勤め先を探し、マッサージなどの治療院の受付のアルバイトをする。綾香はパン屋のパート。早朝からの仕事に明るく前向きだ。落ち込んでばかりいる、芭子をいつも励ましている。先の見えない将来だが・・。
『黎明』 曾野綾子 PHP文庫
著者が小説家として世に出る前に書かれた小説。そのためか、ちょっと違和感のある文体だったが、著者の母子がモデルと書かれ、母子心中まで計ったという事実もあると聞いたので読んでみた。
父親の専制支配や家庭内暴力に、母親は、道子(著者がモデル)の相手は、父親とは違った人、という条件だけで、女学生の娘に許婚を決めたりする。戦中戦後、大変な時代に、疎開を繰り返し、恵まれた生活ができたのも、父が会社を経営し資産があったからだが、自分の思うようにならないと人を攻撃し、妻を夜通し責める夫に耐えきれず、道子を連れて伊豆の別荘に行く。
食料を断って死ぬつもりだったが、その時、いつも家に出入りし何でも打ち明けられる道子の従兄が別荘先に心配して訪ねてくる。許婚の青年は従兄の親友。道子は婚約者より従兄を慕っていた。
やがて道子は、最愛の従兄が実は実の兄だったと知らされる。
多分、この部分はフィクションだと思うが、両親や母子の関係は近いのではないかと思われる。
『ヒコベエ』 藤原正彦 講談社
『人間の品格』の著者が、自らの少年時代を描く。父、新田次郎、母、藤原ていに育てられた、ヒコベエと呼ばれ、元気、やんちゃ、負けん気の強いガキ大将でもある。気象台職員の生活は貧しく、母が『流れる星は生きている』を書くまでは生活も苦しかった。
父は、弱い者いじめを許さず、母は曲がったことを許さなかった。夏休みや春休み、信州の母の実家や父の実家で過ごし、思い切り自然の中で、山の子と遊びまくったのも楽しい思い出。数学者だが、低学年の頃から、才能は芽ばえていたと感心した。
『RURIKO』 林真理子
VINさんのアップで読んだ本。
RURIKOとは浅丘ルリ子のことである。映画界の圧倒的美女とみとめられ、多くの俳優や監督との仲を噂されたRURIKOだが、誰からも愛されたのは、そのさっぱりした性格と、割り切った生き方からだろうと思う。最後は、結婚もし離婚もしているが、どの相手とも泥沼のようにはならず、仲良く付き合っている。
夢を持って満州にお渡った父が、甘粕大尉に娘を会わせたとき、幼い信子(ルリ子の本名)を是非女優にして下さい、といわれた。それ程愛くるしい少女だった。
甘粕大尉といえば、アナーキストの大杉栄や伊藤野枝、幼い甥まで虐殺した悪名高い男がである。終戦の時自決するが、ルリ子の父にとっては、真面目で温厚だった人という印象だったという。
一家は終戦時、タイにいたが、帰国して仕事もなく、麻雀荘など経営したが、成長するに従って、ますます美しくなるルリ子をオーディションに連れて行く。父親は、ルリ子を愛し守り助けマネージャー役でもあった。
以下は、読了しているが感想は略します。
『昼咲月見草』 野中柊
『純愛小説』 篠田節子
『本からはじまる物語』 作家18名 メディァパル
『彦九郎山河』 吉村昭 文春文庫
とは言うものの、最近は寄る年波に、読む速度は遅く、内容もすぐ忘れ、借りてきたとき記している題名や著者名を見ても、暫く考えないと思い出せないことが多い。だからこそ、簡単でも筋書きや感動など書きとめておかねばと思うが大抵の本は返却済みで手元になく、登場人物の名前さえ思い出せない。いつも言い訳ばかりしているので恥ずかしいが・・。
『いつか陽のあたる場所で』 乃南アサ 新潮社
この作家の本は、何冊か読んでいるが、もういいと思ったことはない。
29才芭子と41才の綾香、刑務所から出てきたばかりの二人は、過去を知られないように、びくびくしながらひっそり暮らす。芭子は亡くなった祖母の古い家を親から与えられ、実家からは絶縁される。近所には服役期間を留学していたことにしていた。経歴など詳しく問われないような勤め先を探し、マッサージなどの治療院の受付のアルバイトをする。綾香はパン屋のパート。早朝からの仕事に明るく前向きだ。落ち込んでばかりいる、芭子をいつも励ましている。先の見えない将来だが・・。
『黎明』 曾野綾子 PHP文庫
著者が小説家として世に出る前に書かれた小説。そのためか、ちょっと違和感のある文体だったが、著者の母子がモデルと書かれ、母子心中まで計ったという事実もあると聞いたので読んでみた。
父親の専制支配や家庭内暴力に、母親は、道子(著者がモデル)の相手は、父親とは違った人、という条件だけで、女学生の娘に許婚を決めたりする。戦中戦後、大変な時代に、疎開を繰り返し、恵まれた生活ができたのも、父が会社を経営し資産があったからだが、自分の思うようにならないと人を攻撃し、妻を夜通し責める夫に耐えきれず、道子を連れて伊豆の別荘に行く。
食料を断って死ぬつもりだったが、その時、いつも家に出入りし何でも打ち明けられる道子の従兄が別荘先に心配して訪ねてくる。許婚の青年は従兄の親友。道子は婚約者より従兄を慕っていた。
やがて道子は、最愛の従兄が実は実の兄だったと知らされる。
多分、この部分はフィクションだと思うが、両親や母子の関係は近いのではないかと思われる。
『ヒコベエ』 藤原正彦 講談社
『人間の品格』の著者が、自らの少年時代を描く。父、新田次郎、母、藤原ていに育てられた、ヒコベエと呼ばれ、元気、やんちゃ、負けん気の強いガキ大将でもある。気象台職員の生活は貧しく、母が『流れる星は生きている』を書くまでは生活も苦しかった。
父は、弱い者いじめを許さず、母は曲がったことを許さなかった。夏休みや春休み、信州の母の実家や父の実家で過ごし、思い切り自然の中で、山の子と遊びまくったのも楽しい思い出。数学者だが、低学年の頃から、才能は芽ばえていたと感心した。
『RURIKO』 林真理子
VINさんのアップで読んだ本。
RURIKOとは浅丘ルリ子のことである。映画界の圧倒的美女とみとめられ、多くの俳優や監督との仲を噂されたRURIKOだが、誰からも愛されたのは、そのさっぱりした性格と、割り切った生き方からだろうと思う。最後は、結婚もし離婚もしているが、どの相手とも泥沼のようにはならず、仲良く付き合っている。
夢を持って満州にお渡った父が、甘粕大尉に娘を会わせたとき、幼い信子(ルリ子の本名)を是非女優にして下さい、といわれた。それ程愛くるしい少女だった。
甘粕大尉といえば、アナーキストの大杉栄や伊藤野枝、幼い甥まで虐殺した悪名高い男がである。終戦の時自決するが、ルリ子の父にとっては、真面目で温厚だった人という印象だったという。
一家は終戦時、タイにいたが、帰国して仕事もなく、麻雀荘など経営したが、成長するに従って、ますます美しくなるルリ子をオーディションに連れて行く。父親は、ルリ子を愛し守り助けマネージャー役でもあった。
以下は、読了しているが感想は略します。
『昼咲月見草』 野中柊
『純愛小説』 篠田節子
『本からはじまる物語』 作家18名 メディァパル
『彦九郎山河』 吉村昭 文春文庫
by ttfuji
| 2011-01-07 11:46
| 読書