2013年 12月 01日
読書目録 (10月後半~11月に読んだ本) |
とうとう今年も最後の月になってしまいました。多分、今年最後の読書目録をまとまらないままでも書こうと思います。
震える牛 相場英雄 小学館
『血の轍』とともに,VINさんのレビューで読みたいと思って読んだ本。どちらも読みごたえがあり、一気にとは言えないが、引き込まれて読んだ。
『血の轍』の方は少し前に読み、題名のみ記しておいた。警察内部の公安部と刑事部の内紛が強く印象に残っている。
『震える牛』は大型ショッピングセンターの進出が地方の小型スーパーや小売店などつぶしていく、あくどい商法で、シャッター通りが軒を並べる。まさに弱肉強食の世界。一方で出入り業者をたたき、少しでも安く食材を納入させる。100円のハンバーグ。成形した肉。今回、世間を賑わせた、食材偽装事件を思ったとき、この本のことを思い出した。
導入部は、居酒屋で起きた強盗殺人事件からだった。一見、店の売上金目当ての強盗殺人事件として処理されたが、犯人の捕まらない未解決事件だったが、事件担当を命じられた刑事が被害者が獣医と産廃処理業者であることに、これは単なる強盗殺人事件でないと確信し、執念で解決していく。
結局は、上層部も構図がわかっている事件だった。
アバノの再会 曽野綾子 朝日新聞社
アバノとはイタリア北部の温泉、というより湯治場をいう。妻を亡くした男性と心の病を持つ夫のいる女性がこの湯治場で再会する。その昔、大学生で家庭教師だった男性と教え子の繋がりだったが、お互い好印象を持ったままだった。一週間の保養で心が軽くなるので、姑も勧め送り出してくれる。一方、男性は大学教授だったが妻の看病で退職し死後、家にこもっているところを、教え子にイタリア行きを誘われる。
カメラマンになっている教え子は、仕事で行くのだが、心身ともに癒されるアバノ温泉をすすめたのだった。そこは入浴以外、マッサージや体の不調をほぐす専門家もいる。
ここで、再会した二人の7日間の節度のある交流が描かれる。
言語小説集 井上ひさし 新潮社
言語にまつわるユーモア短編集。なかでも「括弧の恋」が面白かった。パソコンでつかわれるさまざまな記号、括弧は二つなければ役目は果たせない。括弧達のいい分がおかしい。
国を思えば腹が立つ 阿川弘之 光文社
聞きしに勝る国粋主義者?という感じ。娘の佐和子さんが、柔軟なのでほっとする。
文士たちがたむろする飲み屋で、たまたま出会った若き日の大江健三郎さんとの乱闘とその後に残る憎悪。大江さんの小説によく出てくる敵意を感じる文士とは、阿川さんのことだったのかと。今まで別な人を想像していた。個性の強い作家同士、敵意を感じる人も多いと思うがこうあけすけに言っていいものか、話半分としても失望した。
今の、自民党政権のやり方についてもまだ生ぬるいと思っているのではないか、と憶測してしまう。
いちばん長い夜に 乃南アサ 新潮社
『いつか日の当たる場所で』の完結編だと読み始めて分かった。前科持ちの二人、芭子と綾香は、出所後、息をひそめて、過去を知られないように支えあいながら暮らしてきた。かなり二人に同情しながら読んだが、『いちばん長い夜に』は、3.11の東北大震災も背景にある内容で、最後に少し明るさが見えてくる内容でほっとした。私にしては珍しく涙があふれた場面もあった。読んでよかった。
未練 乃南アサ 新潮文庫
女刑事音道貴子シリーズ。短編集。感想 略
来なきゃいいのに 乃南アサ 祥伝社文庫
短編集。女の職場ではよくある話がいくつかある。感想 略
震える牛 相場英雄 小学館
『血の轍』とともに,VINさんのレビューで読みたいと思って読んだ本。どちらも読みごたえがあり、一気にとは言えないが、引き込まれて読んだ。
『血の轍』の方は少し前に読み、題名のみ記しておいた。警察内部の公安部と刑事部の内紛が強く印象に残っている。
『震える牛』は大型ショッピングセンターの進出が地方の小型スーパーや小売店などつぶしていく、あくどい商法で、シャッター通りが軒を並べる。まさに弱肉強食の世界。一方で出入り業者をたたき、少しでも安く食材を納入させる。100円のハンバーグ。成形した肉。今回、世間を賑わせた、食材偽装事件を思ったとき、この本のことを思い出した。
導入部は、居酒屋で起きた強盗殺人事件からだった。一見、店の売上金目当ての強盗殺人事件として処理されたが、犯人の捕まらない未解決事件だったが、事件担当を命じられた刑事が被害者が獣医と産廃処理業者であることに、これは単なる強盗殺人事件でないと確信し、執念で解決していく。
結局は、上層部も構図がわかっている事件だった。
アバノの再会 曽野綾子 朝日新聞社
アバノとはイタリア北部の温泉、というより湯治場をいう。妻を亡くした男性と心の病を持つ夫のいる女性がこの湯治場で再会する。その昔、大学生で家庭教師だった男性と教え子の繋がりだったが、お互い好印象を持ったままだった。一週間の保養で心が軽くなるので、姑も勧め送り出してくれる。一方、男性は大学教授だったが妻の看病で退職し死後、家にこもっているところを、教え子にイタリア行きを誘われる。
カメラマンになっている教え子は、仕事で行くのだが、心身ともに癒されるアバノ温泉をすすめたのだった。そこは入浴以外、マッサージや体の不調をほぐす専門家もいる。
ここで、再会した二人の7日間の節度のある交流が描かれる。
言語小説集 井上ひさし 新潮社
言語にまつわるユーモア短編集。なかでも「括弧の恋」が面白かった。パソコンでつかわれるさまざまな記号、括弧は二つなければ役目は果たせない。括弧達のいい分がおかしい。
国を思えば腹が立つ 阿川弘之 光文社
聞きしに勝る国粋主義者?という感じ。娘の佐和子さんが、柔軟なのでほっとする。
文士たちがたむろする飲み屋で、たまたま出会った若き日の大江健三郎さんとの乱闘とその後に残る憎悪。大江さんの小説によく出てくる敵意を感じる文士とは、阿川さんのことだったのかと。今まで別な人を想像していた。個性の強い作家同士、敵意を感じる人も多いと思うがこうあけすけに言っていいものか、話半分としても失望した。
今の、自民党政権のやり方についてもまだ生ぬるいと思っているのではないか、と憶測してしまう。
いちばん長い夜に 乃南アサ 新潮社
『いつか日の当たる場所で』の完結編だと読み始めて分かった。前科持ちの二人、芭子と綾香は、出所後、息をひそめて、過去を知られないように支えあいながら暮らしてきた。かなり二人に同情しながら読んだが、『いちばん長い夜に』は、3.11の東北大震災も背景にある内容で、最後に少し明るさが見えてくる内容でほっとした。私にしては珍しく涙があふれた場面もあった。読んでよかった。
未練 乃南アサ 新潮文庫
女刑事音道貴子シリーズ。短編集。感想 略
来なきゃいいのに 乃南アサ 祥伝社文庫
短編集。女の職場ではよくある話がいくつかある。感想 略
by ttfuji
| 2013-12-01 22:56
| 読書