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郷土史研究会 4月の講演は『古代史の楽しみ』=ヘロドトスと司馬遷=

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 4月14日(土)

郷土史研究会。本日の講師は、小林克則先生。今回で3回目。
いつもひと味違った講演をして下さいます。
今まで、1回目 イスラムの女性たち 2回目 中国の4大悪女  
と面白い講義をして頂いた。
今回は更に歴史が広がったという感じです。
先生は、東大史学部を出られ、高校世界史を教えられ、世界史の教科書編纂に携わって来られました。


  古代史の楽しみ 
ーヘロドトスと司馬遷の比較から学ぶことー

「ヘロドトス」も「司馬遷」もともに歴史を忠実に正しく記述することに、
 命を懸けた歴史学者である。
(1)相違点
①それぞれの生きた時代

 ヘロドトス  紀元前5世紀
 司馬遷    紀元前2-➀世紀
② それぞれが記述した地域
  H   東地中海世界中心(古代ギリシャとオリエント)
  S   東アジア世界中心(中国、朝鮮、北アジア、中央アジア)
③ 出自と人生の転機・危機
     ハリカルナッソスという小アジア南部のポリスの市民
      僭主におわれ(?)サモス島に移住。トウリオイ植民に参加
     前漢の由緒ある家柄の出身で、太史令(太史公)となる。
      李陵の禍にあい、男性器を切除する宮刑に処せられる。
④ 執筆の動機
     ギリシャ人や異邦人の驚嘆すべき事績や「ペルシャ戦争」について
      忘却されることを恐れて、研究調査した。個人的な動機。
     父親の遺言。史官としての仕事。「太史令の職務として記録
      した書物」しかし、個人的な情念も込められている。
⑤ 選考文献の有無と執筆の方法
     先行文献がないため、自分の目で確かめることが出来なかったことは
      各地で目撃者や権威者に尋ねた。
     多くの先行文献を取捨選択して記述。
➅ 構成・形式
     「広範に及ぶ内容を短い時間枠の中に閉じ込めて語る技法」
      主としてペルシャ帝国の視点からその発展史を展開。巻分けなし。
     人物中心の形式である「紀伝体」を創始。
      同じ出来事が本紀や世家・列伝の中に分散され記述されている。
⓻ 叙述の特徴(文体)
     物語風の叙述であり、脱線も多く、文体は冗長である。
      民衆の間で講演する語り手の技法による。
     簡潔な文体だが、人物の性格描写や情景の記述に優れている。
⑧ 異民族への態度
  H   プルタルコスに「バルバロイ」(異民族)びいき」と批判されるような
      ギリシャ的中華思想はなく、民族的偏見はなかった。
     中華思想が基本。前漢の東一を自明の前提とする中華帝国形成史の経つ場に
      立っている。
⑨ 歴史観(神との関係など)
     「デルフォイの信託」などが重要な役割を果たしている。
      「因果応報」や「罪の遺伝」を信じていた。
  S   儒学を評価するが儒学者ではない。
      「天道」をあらせるために成人の働きがあるが、歴史家はそれを代行するもの
      である。
(2) 共通点
   著作の持つ意義
    当時の人々に知られていた全ての「世界」の怜氏を総合的に叙述している。
    「歴史」というジャンルを創造し、後世に多くな影響を与えた。
  ② 著者の生きた時代の特徴(遊牧帝国と農耕帝国の関係)
    北方の遊牧国家に対抗して農耕民の「世界帝国」が形成された時代であった。
  ③ 著者の経験
    大旅行を経験している。
    追放や虚勢などの挫折を経験している。
  ④ 著作の大枠(世界帝国の支配者)
    世界帝国の支配者の記述を大枠として構成している。
    ヘロドトスはペルシャ大王、司馬遷は「本紀」。
  ⑤ 叙述の特徴(会話の取り扱い)
    会話を多用し、個人の心情を表現して、臨場感を盛り上げている。
    (「小説」との未分化)
  ➅ 歴史観(戦争への態度)
    「栄枯盛衰」の理法を語る。
    戦争は不幸なことと考えていた。
  ⓻ 伝承への態度
    伝承や説話をそのまま伝えている。

 レジメで頂いたもの(18ぺーじ)を一部そのまま記載させて頂きました。書き写すことで、
 理解も深まりました。
私は、中島敦氏の「李陵」を読んでおり、その衝撃の深かったことを質問の時間に述べました。
先生からも他の聴講生も共感を得られたように思いました。

 


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by ttfuji | 2018-04-23 16:54 | 郷土史・講演会・学習 | Comments(0)

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