2006年 06月 05日
読書 2冊 |
「斑鳩の白い道のうえに」 上原 和
10年以上前に買った本。あの頃も、聖徳太子ブームだった。ざっと目を通して本箱にしまった。先日の、小松さんの聖徳太子の講演の時、この本の話をしたが、お読みになっていらっしゃらなかった。亀井勝一郎賞をもらっているこの本も、多くの、文献資料を基に書かれている。小松さんから頂いたコピー資料とも多くが共通している。物部氏を滅ばした、蘇我氏は、今度は、聖徳太子の皇子、山背大兄皇子を入鹿が倒し、聖徳太子一族を滅ばす。この辺の痛恨の気持が伝わってくる。有名な、随の国の王にしたためたとされる手紙、「日出づる国の太子、日没する国の太子に書を致す・・・恙なくきや。」とする書簡、非礼だと相手国を怒らせたが著者は、実は、丁寧な前書きがあるという。
昨日、Tさんと小松さんを訪ね、「隠れた歴史研究家」のタイトルで、写真の載った、ブログのコピーと、この本を差し上げた。とても喜んで下さった。
「国家の品格」 藤原正彦 新潮新書
著者は、新田次郎さんと藤原ていさんの次男。お茶の水女子大学理学部教授であり数学者だが随分元気な本を書いたものだ。初めは気持がいいほど断定的で自信たっぷりだと思った。
たとえば、「私の確信」という冒頭の部分からしてこうだ。
<私は自分が正しいと確信していることについてのみ語るつもりですが、不幸にして私が確信していることは、日本や世界の人々が確信していることとはしばしば異なっております。勿論私ひとりだけが正しくて、他のすべての人々が間違っている。かように思っています。
もっとも、いちばん身近で見ている女房に言わせると、私の話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷とのことです。私は全くそうは思いませんが、そういう意見があることはあらかじめお伝えしておきます。>
とこんな調子だ。奥さんの卓見を載せるなど心憎い。おやおやと思う目次を列挙しようかと思ったが省略。某国の顔色ばかり伺う、トップの弱腰外交ばかり見せられてイライラしている人には、気持ちよく自信を与えるかも知れない。
自国の文化や歴史に、自信と誇りをというのはいい。しかし、外国のそれと優劣で比較するのは、どうかと思う。あまりに恣意的で、確信犯的でカンフル注射で、自信を失った日本人を元気づけようとしているのか。
この本は、今評判のようだ。
10年以上前に買った本。あの頃も、聖徳太子ブームだった。ざっと目を通して本箱にしまった。先日の、小松さんの聖徳太子の講演の時、この本の話をしたが、お読みになっていらっしゃらなかった。亀井勝一郎賞をもらっているこの本も、多くの、文献資料を基に書かれている。小松さんから頂いたコピー資料とも多くが共通している。物部氏を滅ばした、蘇我氏は、今度は、聖徳太子の皇子、山背大兄皇子を入鹿が倒し、聖徳太子一族を滅ばす。この辺の痛恨の気持が伝わってくる。有名な、随の国の王にしたためたとされる手紙、「日出づる国の太子、日没する国の太子に書を致す・・・恙なくきや。」とする書簡、非礼だと相手国を怒らせたが著者は、実は、丁寧な前書きがあるという。
昨日、Tさんと小松さんを訪ね、「隠れた歴史研究家」のタイトルで、写真の載った、ブログのコピーと、この本を差し上げた。とても喜んで下さった。
「国家の品格」 藤原正彦 新潮新書
著者は、新田次郎さんと藤原ていさんの次男。お茶の水女子大学理学部教授であり数学者だが随分元気な本を書いたものだ。初めは気持がいいほど断定的で自信たっぷりだと思った。
たとえば、「私の確信」という冒頭の部分からしてこうだ。
<私は自分が正しいと確信していることについてのみ語るつもりですが、不幸にして私が確信していることは、日本や世界の人々が確信していることとはしばしば異なっております。勿論私ひとりだけが正しくて、他のすべての人々が間違っている。かように思っています。
もっとも、いちばん身近で見ている女房に言わせると、私の話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷とのことです。私は全くそうは思いませんが、そういう意見があることはあらかじめお伝えしておきます。>
とこんな調子だ。奥さんの卓見を載せるなど心憎い。おやおやと思う目次を列挙しようかと思ったが省略。某国の顔色ばかり伺う、トップの弱腰外交ばかり見せられてイライラしている人には、気持ちよく自信を与えるかも知れない。
自国の文化や歴史に、自信と誇りをというのはいい。しかし、外国のそれと優劣で比較するのは、どうかと思う。あまりに恣意的で、確信犯的でカンフル注射で、自信を失った日本人を元気づけようとしているのか。
この本は、今評判のようだ。
by ttfuji
| 2006-06-05 07:23
| 読書