2007年 01月 10日
続 読書録 「暴力に逆らって書く」雑感 |
前回に続けて書き込んでいたら、突然、容量オーバーか消えてしまった。泣きたいような気持だ。次の本は読了してないが、図書館の返却日が明日なので一旦返却する。リクエスト本だから、次の人に予約が入っていれば借りられない。中途半端だが、書ける範囲で記録する。
「暴力に逆らって書く」 大江健三郎 朝日新聞社
これもVINさんの紹介された本。図書館でリクエストしておき、連絡で借りに行った。その翌日、本を間違えましたと電話。私が申し込んだのは文庫本。借りてきたのはハードカバーの新品。気づかず借りてきた方もきた方。図書館はそれでもいいかと聞く。勿論、字も大きいので読みやすい。重いし外出には持ち出せない。文庫本2冊読み終わらないうちに、こちらの方が先だ、と読み始めたが、むずかしい。捗らない。繰り返し読まないと理解できない部分が多い。いつまでたっても3冊が中途半端になる。そこで読み方を変えた。取り敢えず、読みやすい文庫本を先に読もうと。読了できなくても、継続できなくても仕方がない。時期を見てもう一度チャレンジするか。諦めるかと。
私は大江さんのファンである。途中からファンになった。
大江氏は、日本の良心だと思っている。VINさんも書いていられるが、ノーベル賞をもらって最も良かった点は、世界の著名人、有識者と往復書簡ができるようなチャンスを与えられたことだと書いていられる。
思想的対立からか、時々暴力に見舞われることがある著者である。命がけの著作活動であろう。この往復書簡は、朝日新聞に数年前から毎週掲載された。私も書簡の幾つかは読んでいた。多くが、戦争や平和の問題のやりとりが多い。
印象に残ったのはドイツのノーベル文学賞受賞者、ギュンター・グラス氏との往復書簡、どちらも非戦決議の誓いを持つ。
第2次世界大戦のドイツの若い脱走兵のこと。人を殺すことを拒否して脱走したのだが、多くが捕まえられて処刑された。それに対して、ギュンター氏は名誉回復の声を上げたいという。また宗教上の問題から、殺人を拒み、黙って殺された青年のことも書かれている。彼は卑怯者ではないと。戦争の残酷さを思う。
ナディン・ゴーディマ氏は南アフリカの女性ノーベル文学賞受賞者。アパルトヘイト問題を取り上げた小説を多く書く。
イスラエルの作家、アモス・オズ氏との書簡の中で、大江氏の講演を聴いたときの、寛容について「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」という文章に出会う。じっくり考え込まなければわからない言葉。
イスラエルとパレスチナ、果たして相手に寛容になれるか。という大江氏の問いに、「確固たる答えはないが、ユーモアが救いをもたらすのではないかという。己自身を笑える者はすでに狂信主義者ではありません」と答える。
書簡は繰り返されるが、通読では理解できない。
ペルーの作家、マリオ・バルガス=リョサ氏。
スーザン・ソンタグ氏。アメリカの小説家・批評家・映画監督。アメリカの代表的知識人のひとり。
テツオ・ナジタ氏。アメリカの日本研究者。シカゴ大学社会学部教授。36年ハワイの日系人家庭に生まれる。氏の次兄は大戦で日系人部隊442連隊に入り、イタリアで戦死。ナジタ氏自身は、大学で西洋史を学ぶが、ハーバート大学院でアジア史を専攻。東京大学に留学する。一直線に日本に向かわなかったのはなぜか。ルーツが日本に向かわせたが、戦後のアメリカ社会の空気といったものはなかったか。書簡にはないことであるが。日本で日本思想史や幕末から明治にかけて多くの思想家達がいることがわかる。こうしたことが書簡の根幹にある。
鄭義(チョン・イー)氏。中国人亡命作家。1947年生まれ。文化大革命の時、下放。復学後、紅衛兵の武闘を書いた「楓」でデビュー。衝撃を与える。89年、天安門事件で民主化運動の指導者の一人として指名手配される。潜伏中も作品を書き続ける。93年アメリカに妻と亡命。99年には中国の環境破壊問題にも取り組む。
アマルティア・セン氏。インドの経済学者。ノーベル経済学賞受賞。所得配分の不公平や貧困や飢饉などについて研究。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ学長。
ノーム・チョムスキー氏。アメリカの言語学者・活動家。マサチューセッツ工科大教授。アメリカの外交政策を一貫して批判。「アメリカの良心」といわれる。「9・11テロのあと、「9・11アメリカに報復する資格はない」また『アメリカの「人道的」軍事主義 ー コソボの教訓』など著書多数。
エドワード・W・サイード氏。アメリカ人思想家。コロンビア大教授。エルサレム生まれ。アメリカにおいてパレスチナ、アラブ社会の側に立って発言する。
ジョナサン・シェル氏。アメリカの反核運動家。反核運動のバイブルといわれた『地球の運命』の著者。
以上、往復書簡の相手の経歴を本より紹介。半分通読で、半分は未読。
このまま、やめるのは惜しい本である。再度挑戦したい。
「暴力に逆らって書く」 大江健三郎 朝日新聞社
これもVINさんの紹介された本。図書館でリクエストしておき、連絡で借りに行った。その翌日、本を間違えましたと電話。私が申し込んだのは文庫本。借りてきたのはハードカバーの新品。気づかず借りてきた方もきた方。図書館はそれでもいいかと聞く。勿論、字も大きいので読みやすい。重いし外出には持ち出せない。文庫本2冊読み終わらないうちに、こちらの方が先だ、と読み始めたが、むずかしい。捗らない。繰り返し読まないと理解できない部分が多い。いつまでたっても3冊が中途半端になる。そこで読み方を変えた。取り敢えず、読みやすい文庫本を先に読もうと。読了できなくても、継続できなくても仕方がない。時期を見てもう一度チャレンジするか。諦めるかと。
私は大江さんのファンである。途中からファンになった。
大江氏は、日本の良心だと思っている。VINさんも書いていられるが、ノーベル賞をもらって最も良かった点は、世界の著名人、有識者と往復書簡ができるようなチャンスを与えられたことだと書いていられる。
思想的対立からか、時々暴力に見舞われることがある著者である。命がけの著作活動であろう。この往復書簡は、朝日新聞に数年前から毎週掲載された。私も書簡の幾つかは読んでいた。多くが、戦争や平和の問題のやりとりが多い。
印象に残ったのはドイツのノーベル文学賞受賞者、ギュンター・グラス氏との往復書簡、どちらも非戦決議の誓いを持つ。
第2次世界大戦のドイツの若い脱走兵のこと。人を殺すことを拒否して脱走したのだが、多くが捕まえられて処刑された。それに対して、ギュンター氏は名誉回復の声を上げたいという。また宗教上の問題から、殺人を拒み、黙って殺された青年のことも書かれている。彼は卑怯者ではないと。戦争の残酷さを思う。
ナディン・ゴーディマ氏は南アフリカの女性ノーベル文学賞受賞者。アパルトヘイト問題を取り上げた小説を多く書く。
イスラエルの作家、アモス・オズ氏との書簡の中で、大江氏の講演を聴いたときの、寛容について「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」という文章に出会う。じっくり考え込まなければわからない言葉。
イスラエルとパレスチナ、果たして相手に寛容になれるか。という大江氏の問いに、「確固たる答えはないが、ユーモアが救いをもたらすのではないかという。己自身を笑える者はすでに狂信主義者ではありません」と答える。
書簡は繰り返されるが、通読では理解できない。
ペルーの作家、マリオ・バルガス=リョサ氏。
スーザン・ソンタグ氏。アメリカの小説家・批評家・映画監督。アメリカの代表的知識人のひとり。
テツオ・ナジタ氏。アメリカの日本研究者。シカゴ大学社会学部教授。36年ハワイの日系人家庭に生まれる。氏の次兄は大戦で日系人部隊442連隊に入り、イタリアで戦死。ナジタ氏自身は、大学で西洋史を学ぶが、ハーバート大学院でアジア史を専攻。東京大学に留学する。一直線に日本に向かわなかったのはなぜか。ルーツが日本に向かわせたが、戦後のアメリカ社会の空気といったものはなかったか。書簡にはないことであるが。日本で日本思想史や幕末から明治にかけて多くの思想家達がいることがわかる。こうしたことが書簡の根幹にある。
鄭義(チョン・イー)氏。中国人亡命作家。1947年生まれ。文化大革命の時、下放。復学後、紅衛兵の武闘を書いた「楓」でデビュー。衝撃を与える。89年、天安門事件で民主化運動の指導者の一人として指名手配される。潜伏中も作品を書き続ける。93年アメリカに妻と亡命。99年には中国の環境破壊問題にも取り組む。
アマルティア・セン氏。インドの経済学者。ノーベル経済学賞受賞。所得配分の不公平や貧困や飢饉などについて研究。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ学長。
ノーム・チョムスキー氏。アメリカの言語学者・活動家。マサチューセッツ工科大教授。アメリカの外交政策を一貫して批判。「アメリカの良心」といわれる。「9・11テロのあと、「9・11アメリカに報復する資格はない」また『アメリカの「人道的」軍事主義 ー コソボの教訓』など著書多数。
エドワード・W・サイード氏。アメリカ人思想家。コロンビア大教授。エルサレム生まれ。アメリカにおいてパレスチナ、アラブ社会の側に立って発言する。
ジョナサン・シェル氏。アメリカの反核運動家。反核運動のバイブルといわれた『地球の運命』の著者。
以上、往復書簡の相手の経歴を本より紹介。半分通読で、半分は未読。
このまま、やめるのは惜しい本である。再度挑戦したい。
by ttfuji
| 2007-01-10 23:24
| 読書